市況解説 2025年12月2日(火)

大引け・小幅反発―10年物利付国債の入札を無難通過、底堅さ示す

2日の東京株式市場で日経平均株価は小幅反発、前日比0.17円高の49303.45円で取引を終えた。円高進行に歯止めがかかったことが投資家心理を上向かせ、自律反発狙いの買いが先行。1日の米株安や国内金利の上昇懸念などが重荷となり、上値は重かったものの、警戒されていた10年物利付国債の入札を無難通過したことなどを支えに底堅さを示した。東証株価指数(TOPIX)も小幅に反発。東証プライムの売買代金は概算5兆2278億円、同売買高は概算21億3871万株で、値上がり銘柄数は471、値下がり1080、変わらず58だった。業種別TOPIXでは「銀行」「非鉄」「その他金融」など16業種が上昇、「鉱業」「電気・ガス」「情報・通信」など17業種は下落。日銀の追加利上げ観測を背景とする銀行株への買いが継続、米エヌビディアとの協業を発表したファナック(6954)がおよそ4年5ヵ月ぶりの高値を付け、安川電機(6506)などもつれ高するなど、「フィジカルAI」(人工知能が自律的に操作する機械やロボット)関連への関心も高まりをみせた。新たなAIサーバー向けコンデンサの量産を開始したと発表した太陽誘電(6976)は大幅に6日続伸、期末配当狙いの買いを集めたJT(2914)は上場来高値を更新した。株式非公開化を決めたFast Fitness Japan(7092)は公開買い付け(TOB)価格にサヤ寄せ。反面、ソフトバンクグループ(9984)が後場一段安、1銘柄だけで指数を170円強押し下げた。三越伊勢丹ホールディングス(3099)などは11月の免税売上高の減少が嫌気され、高値圏にある三井海洋開発(6269)、東洋エンジニアリング(6330)などレアア－ス関連の下げも目に付く。11月度の加入件数が純減となったWOWOW(4839)も冴えず、DMG森精機(6141)にはUBS証券の格下げが観測された。

新興市場では金利先高観の強まりを嫌気して売られる銘柄が続出、東証グロース250指数は大幅続落となった。免疫生物研究所(4570)、トランスジェニックグループ(2342)、QPSホールディングス(464A)が安く、ラクオリア創薬(4579)、note(5243)、MTG(7806)は高い。

前引け・反発―円相場の落ち着きが安心感誘う

2日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日終値に比べて195.78円高い49499.06円で引けた。円高進行に歯止めがかかったことが安心感を誘い、自律反発狙いの買いが広がる展開となった。もっとも、1日の米株安や国内金利の上昇懸念は全体相場の重荷となっており、上値は限られた。東証株価指数(TOPIX)も小幅ながら反発。東証プライムの売買代金は概算2兆4702億円、同売買高は概算10億2372万株で、値上がり銘柄数は630と、値下がり897を下回り、変わらず82だった。業種別TOPIXでは「非鉄」「銀行」「石油・石炭製品」をはじめとする19業種が上昇、「医薬品」「輸送用機器」「電気・ガス」など14業種は下落。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)が連日で史上最高値を更新するなど銀行株への物色が継続、昨日の下げがきつかったフジクラ(5803)などには押し目買いが入った。半導体関連も総じて高く、レーザーテック(6920)は海外同業の株高も追い風に働いた。キッコーマン(2801)には野村証の強気レポートが観測された。反面、5-10月期営業減益の伊藤園(2593)はおよそ8ヵ月ぶりの安値を付け、不冴えな11月月次を受けてアスクル(2678)には改めて業績懸念が強まった。昨日急伸したトリケミカル研究所(4369)は利食い売りに押され、ユニチカ(3103)への手じまい売りも止まなかった。ラクス(3923)など高PER(株価収益率)銘柄の一角も冴えない。

新興市場では、東証グロース250指数が大幅続落。金利上昇を嫌気して売られる銘柄が目立った。サンバイオ(4592)、PRISM BioLab(206A)、ユーソナー(431A)が安く、BRANU(460A)、イオレ(2334)、アクセルスペースホールディングス(402A)は高い。

更新のタイミング
「前引け」市況解説...12時30分ごろ
「大引け」市況解説...16時30分ごろ
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