市況解説 2024年9月5日(木)

大引け・大幅に3日続落－後場売り直されて3週ぶり安値

5日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落、前日比390.52円安の36657.09円で取引を終えた。米金利低下を受けたドル安・円高を嫌気し、朝方に700円近い下げ幅を示しながらも急速な値戻しで一時上昇に転じる動きを見せたが、後場に再度大きく売り直された。明日の米雇用統計発表を控え売買を見送る投資家が多いなか、不安定な値動きが続き、8月15日以来、約3週間ぶりの安値で引けた。東証株価指数(TOPIX)も後場再度下げに転じて続落。東証プライムの売買代金は概算で4兆2056億円、売買高は同16億273万株と低調で、値下がり銘柄数803、値上がり784、変わらず58だった。業種別TOPIXは全33業種中、「保険」「医薬品」「海運」など18業種が下落、上昇は「倉庫・運輸関連」「食料品」「陸運」など15業種。ファーストリテイリング(9983)は日経平均銘柄入れ替えの発表を機に、今月末に行われる指数ウエイトの引き下げを改めて意識、後場も下げ幅を拡大して指数を大きく押し下げた。ファナック(6954)、HOYA(7741)などの輸出関連の値嵩株や東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)といった半導体関連も下押した。三井住友フィナンシャルグループ(8316)はじめ金融株は金利低下を嫌気、ケンコーマヨネーズ(2915)など高値圏のディフェンシブへの利益確定売りも目に付いた。半面、午後に好決算を発表した積水ハウス(1928)が上げ幅を拡大して、上場来高値に接近、花王(4452)などディフェンシブやSansan(4443)などグロース株(成長)の一角も買われた。三菱商事(8058)、NTT(9432)といった利回り株や日立製作所(6501)、富士通(6702)はじめ好業績主力株もしっかり。

新興市場でも金利低下を支えに中小型株成長株に買いが入り、東証グロース250指数が反発。イシン(143A)、弁護士ドットコム(6027)、yutori(5892)が買われ、農業総合研究所(3541)、QPS研究所(5595)、クオリプス(4894)が売られた。

前引け・続落－700円近い急落場面から一時切り返す

5日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落、前日終値に比べ130.17円安い36917.44円で引けた。4日の米市場で雇用関連指標の悪化等を受けて米金利低下、ドル安・円高が進行、寄り付き直後には700円近く急落する場面があったが、ディフェンシブ株や高利回り銘柄を中心に自律反発狙いの買いが入り急速に下げ渋った。円高警戒も和らぐなか、一時37000円台を回復し、小幅に切り返す動きも見られ、東証株価指数(TOPIX)は反発で終えた。東証プライムの売買代金は概算で2兆670億円、売買高は同7億7488万株、値下がり銘柄数は310、値上がり1299を大きく下回り、変わらず36。業種別TOPIXは全33業種中、下落は「保険」「医薬品」「小売」など7業種にとどまり、上昇は「倉庫・運輸関連」「ゴム製品」「証券」など26業種。指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が弱く、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)は一部で期待されていた日経平均への採用が見送られ一段安となった。内外金利低下を嫌気して東京海上ホールディングス(8766)、第一生命ホールディングス(8750)が売られ、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)も日経平均の重荷となった。新株発行に伴う需給不安をひきずるコロワイド(7616)は年初来安値を更新。半面、円高に伴うコスト減期待で神戸物産(3038)、ニトリホールディングス(9843)は続伸、JR九州(9142)が上場来高値を更新するなど内需株選好が継続した。野村総合研究所(4307)は日経平均採用が決まり、約2年9ヵ月ぶりに上場来高値を更新、日立製作所(6501)、フジクラ(5803)、三菱重工業(7011)が早々に切り返すなど、好業績の主力株への買いも目に付く。

新興市場は金利低下を好感したグロース(成長)株に買いが入り、東証グロース250指数は早々に上昇に転じた。雨風太陽(5616)、セルシード(7776)、タイミー(215A)が買われ、トライアルホールディングス(141A)、T.S.I.(7362)、アストロスケールホールディングス(186A)が売られた。

更新のタイミング
「前引け」市況解説...12時30分ごろ
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