市況解説 2024年9月3日(火)

大引け・小幅反落―円安一服が重荷、米景気指標待ちムードも漂う

3日の東京株式市場で日経平均株価は小幅ながら3日ぶりに反落、前日比14.56円安の38686.31円で取引を終えた。米休場で手掛かり難のなか、円相場の弱含み推移を好感した買いが先行したが、心理的節目の39000円に近付くと戻り待ちの売りが膨らみ、上値を抑える方向に作用。後場に入ると、やや低調な10年物国債入札結果を受けて国内金利が上昇し円安進行が一服、今晩の米重要経済指標の結果を見極めたいとして買い手控えムードが広がったことも相場の重石となった。東証株価指数(TOPIX)は6日続伸。東証プライムの売買代金は概算3兆3167億円、同売買高は概算14億5032万株と低調で、値下がり銘柄数は364、値上がり1230、変わらず51だった。業種別TOPIXでは「海運」「非鉄」「機械」など10業種が下落、「銀行」「保険」「陸運」をはじめとする23業種は上昇。アドバンテスト(6857)など半導体関連が軒並み下げ幅を拡大、フジクラ(5803)など高値圏銘柄の一角には手じまい売りが膨らんだ。TDK(6762)など米アップル関連も総じて弱く、「ハリス米副大統領がUSスチールの国内所有に言及」と伝わり日本製鉄(5401)の重荷となった。不正に診療報酬を請求していたと一部で報じられたサンウェルズ(9229)はストップ安比例配分された。反面、メガバンクや第一生命ホールディングス(8750)など金融が全面高、野村総合研究所(4307)、富士通(6702)などDX関連も賑わった。8月月次好調の三越伊勢丹ホールディングス(3099)が高く、東北電力(9506)は女川原発2号機の燃料装荷開始が材料視された。

新興市場では、東証グロース250指数が大幅反発。大型株の値動きの鈍さから、資金シフト思惑が広がる格好となった。農業総合研究所(3541)、FFRIセキュリティ(3692)、ソラコム(147A)が買われ、T.S.I(7362)、ELEMENTS(5246)、クオリプス(4894)は売られた。

前引け・続伸―円弱含みを好感、39000円に接近場面も

3日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日終値に比べて86.93円高い38787.80円で引けた。2日の米国市場が休場で手掛かり材料に乏しいなか、円相場の弱含み推移を好感した買いが支えとなり、底堅さを維持する展開となった。長期金利の上昇がメガバンクなど金融株の買いを促したほか、持ち合い解消の動きが評価材料となるケースも散見され、節目39000円に接近する場面もあったが、その後は戻り待ちの売りに押され伸び悩んだ。東証株価指数(TOPIX)も続伸。東証プライムの売買代金は概算1兆6352億円、同売買高は概算7億6631万株と引き続き低調で、値上がり銘柄数は全体の8割超の1336に達し、値下がり272、変わらずが36。業種別TOPIXでは「銀行」「保険」「陸運」をはじめとする28業種が上昇、「精密」「海運」「機械」など5業種は下落。「スポンジチタンの生産能力を増強、経産省から助成金」と報じられた大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)が急伸、東邦チタニウム(5727)もつれ高した。NTTデータグループ(9613)にはモルガン・スタンレー証券の格上げが観測され、「政策保有株の売却で特別利益計上へ」と伝わったTBSホールディングス(9401)も大きく買われた。旧村上ファンド系の保有株買い増しが判明した山洋電気(6516)は11日続伸し、連日で年初来高値を更新。反面、レーザーテック(6920)など半導体関連には米中対立激化に伴う警戒が改めて浮上、伊藤園(2593)は大幅減益の5-7月期決算が嫌気された。川崎重工業(7012)は4日ぶりに反落、キヤノン(7751)も利食い売りに押された。サカイ引越センター(9039)は11時に発表した8月月次への反応の鈍さが重荷となった模様。

新興市場では、値動きの良さに着目した買いが膨らみ、東証グロース250指数が大幅反発。トライアルホールディングス(141A)、ステラファーマ(4888)、イシン(143A)が買われ、サスメド(4263)、フルッタフルッタ(2586)、フューチャーリンクネットワーク(9241)は売られた。

更新のタイミング
「前引け」市況解説...12時30分ごろ
「大引け」市況解説...16時30分ごろ
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